2010年07月19日

ヴェイダー懺悔した

そんなヴェイダーですが,問題はシスにくら替えした後,さんざん虐殺を繰り返してしまったことです.物語の中で最も人間臭いと言えるのは彼ですが,案の定,大罪を犯してしまいました.最後には息子のルークに助けられ,ようやくシスから足を洗うのですが,残念ながら臨終を迎えます.自業自得な人生,息子に出会えただけでも幸せと思うべきか.合掌…

まあこれで終わりでも良いような気もしますが,そこは気の利くルーカス監督,ラストシーンでは幽霊で復活です.版を重ねて顔に若干の変化が見られましたが,いずれにしましても,とどめを刺したオビワンとは仲良さそうにしていました.ヨーダも一緒にいましたので,雰囲気からしても地獄に落ちたのではないでしょう.彼はジェダイのご先祖のいる世界にめでたく生まれたのであり,要するに救われたのです.あんだけのことやっといてですからね,やはり「救われた」という表現が適切でしょう.

直接懺悔と言えるようなセリフはなかったようですが,ルークの前で喋ったこと〜昔の訳では「私のことではお前が正しかった」とか言っていたような〜,これを懺悔と見なすならば,彼はそれによって救われたということになるのでしょうか.皇帝を投げた時点で懺悔があったとも言えますが,とにかく自らの過ちを悔いるような,心の変化があったことは確かなようです.

人を傷つけることと,人の命を奪うことは,罪の重さという点で明確に異なります.なぜならば,多くの場合,人を傷つけても謝罪することはできますが,命を奪ってしまっては,本質的に謝罪のしようがないからです.罪を償うことが極めて難しい、それが殺人という行為なのです.偶発的な場合もありますので,もちろんその中でも区別をしなければなりませんが,ヴェイダーの場合は明確な殺意があります.星間戦争という非常事態下であったことを考慮しても,大量虐殺が許されるはずはないでしょう.

しかし,ヴェーダーは息子の前でその行為を悔い,おそらくスターウォーズ世界の神に許しを請うたのでしょう.だからこそ「ジェダイの帰還」なのであり,彼は救われたのでした.エー,そんだけー?と一瞬思うでしょう.しかし,それは違います.シンプルに見えても,おそらく監督の意図するところはもっとデープで,実は全人類のすがたがヴェイダーに投影されているのです…,多分.
posted by 伊東昌彦 at 14:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教 坊さんが -starwars
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