2026年08月02日

神話化にご用心

バブル時代、私は中高生だったわけですが、今となっては遥か昔のことです。中高生としての印象ですが、とにかく世の中が派手であった。テレビをつければバラエティーやアニメで盛り上がり、ニュースでも景気がいい話が多かった。日本は世界第2位の経済大国であり、1位のアメリカとは貿易摩擦なんていうものがあった。科学技術立国として、世界をリードする時代でありましたとさ、、、

とまあ、すでに神話に近いような気もしてくるほどです。日本は今、とても現実的です。

あの時は良かった信仰で、よく昭和礼賛の動画なんかも出てきますが、悪いところも多かった。街はきたなく、モラルも今より低い。飲酒喫煙の低年齢化もあり、校内暴力や家庭内暴力が大問題となっていた。でも、こういう負の側面は忘れ去られるのです。それが神話化なのでしょう。バブルの神様ですよ。

最近、第二次世界大戦も同じように扱われる側面が散見されます。昔からある見方かもしれませんが、日本はむしろアジア諸国に対して良いことをしたと。正直、個人的には耳を疑いたくなる言説ですが、戦死した方への美辞麗句による単純な礼賛も多く、当時の状況へ思考が及ばない画一的な主張も目立ちます。これも神話化なのでしょうか。

日本神話といえば『日本書紀』や『古事記』となりますが、こちらも史実はかなり盛られている印象です。とりわけ神功皇后のあたりはかなり景気のよい記述もあり、事実をベースにしているとはいえ、当時のヤマト王権が海を越えていかに強大であったかということが伝えられています。

ちなみに神功皇后が応神天皇の母であるならば、だいたい4世紀後半の人物であるかと思えるので、『日本書紀』や『古事記』が編纂された8世紀前半より300年以上も昔の話になります。現在、今から300年以上も昔といえば元禄時代ぐらいでしょうか。8世紀においては、記録や口伝も今とは比較にならないほど精度は低いと思われますので、300年以上も昔のことは完全に神話化されていたと思っていいかもです。

神話化されると当事者にとって都合悪い側面は切り捨てられるので、色々と要注意だと思っています。


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posted by 伊東昌彦 at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教 住職恣意 -jyushokushii
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