2026年02月08日

選挙〜宗教家としての願い

今日は衆議院選挙ですね。私はどちらかと言えば保守的な思想・思考ですが、宗教家として高市首相にお願いしたい点がいくつかあります。


まずは政教分離の問題です。宗教団体が直接政治に参入できる抜け穴は排除していただきたい。宗教団体がどの政党を支持するのかは自由ですが、宗教の性格上、信者による集票機能が働きやすい。これを組織的に利用するならば、宗教団体の意思が直接政治に影響を及ぼす可能性を捨て切れません。


そして靖国神社の問題です。この問題は様々な角度から議論されてきましたが、そもそも、以下の点が根本的に問題です。

靖国神社の創立背景には、国家のために内外の戦争で殉じた方々を顕彰するという意向がありますが、現在の靖国神社は官営、すなわち国立ではありません。靖国神社はひとつの宗教法人なので、所轄官庁の指導のもと、どのような宗教思想や歴史観を持っていても問題ではありませんが、ひとつの宗教法人にだけ政府が公式参拝したり肩入れすることは問題です。

たとえば、かつて総国分寺として建立された東大寺においても、現在、全戦没者の慰霊法要は営まれています。宗教法人はそれぞれの思想に基づいて行動しますので、靖国神社と東大寺ではもちろん考え方は異なります。したがいまして、靖国神社が現代日本という国家を代表することにはなるはずもなく、そこに政府が公式参拝や肩入れをしても何の意味もありません。

靖国神社に拘るのであれば、宗教法人格を外して国立化し、無宗教も含めたどのような思想の方でも訪れて追悼できる施設に改装するしかありません。実際、無宗教であっても追悼は可能です。そうすれば公式参拝や肩入れは可能ですが、名称は神道形式から変更する必要もあります。こうなるともう靖国神社ではなくなるので、あまり現実的ではないでしょう。靖国神社は宗教法人の靖国神社として、今まで通り創立からの思想信念をもって存在すべきだと思います。なお靖国神社の問題は国内問題なので、外国の意向は関係ありません。

最後に歴史観の問題です。宗教的なファンタジーである日本神話に基づく歴史観を、現代政治に直接持ち込むことには反対です。分かりやすい例を挙げますと、『日本書紀』や『古事記』の歴史観というものは、客観的な事実ではなく、倭国の大王が日本の天皇となるにあたり制定されたいわゆる「正史」であり、天皇の権威を宗教的に高める狙いが明白です。この歴史観によりますと、日本は神の子孫たる天皇を中心とした神国であり、人々はすべてその臣民であるという回答が出てきてしまいます。しかし、これはあくまでも過去において意義があった事象であり、現代日本においては、日本神話という枠を出るものではありません。

伊東家の先祖は藤原南家であり、私は今上天皇を深く尊敬しています。決して皇室不要論などに与するものではありませんし、日本の歴史において天皇一族が果たしている役割にも敬意を持っています。しかし、だからこそ天皇という存在を客観視し、一度、神話から切り離して再度、象徴天皇としての現代的な天皇論を構築すべきかと思うのです。神話は宗教ですので、宗教の持つ排他性にともなう集団的暴走を助長する面があります。神話であっても作者もしくは編集者はいます。そういう意味で意図的なのです。


私は日本が好きです。日本は宗教性に富んだ国だと思いますが、国教はありません。こうしたことを今一度、しっかり頭のなかに入れ直して政治に取り組んでもらいたいものです。


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posted by 伊東昌彦 at 12:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教 住職恣意 -jyushokushii
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