私、今年で52歳なのですが、世界情勢や国内情勢というものは数十年で本当に変化するものなんだ、歴史のなかに自分も生きていたんだなあと実感しています。正直なところ、30代ぐらいまではまったく感じていなかったと思います。歴史というものは過去の積み重ねだからこそ変化を読み取れるものなんだと、そして、もっと変化は緩慢なのだと思っていました。違ってたみたい。
ここで敢えて詳細を書く意味はありませんので省略しますが、世界では冷戦終結、国内ではバブルからバブル崩壊後に10代を送った私からしますと、今、その後の30年を振り返り、まったく信じ難いことの連発です。もしかしたら、私が思っている日本という国は、今後、何か別の国のように思えるほどの変化があるかもしれません。政治や経済のことは私には難しいので書けませんが、文化が変わってしまうかも。
私は日本に育てられました。私のこうした「日本人」としての感覚は、おそらく20代までには完成していると思えます。同じ「日本人」でも時代によって感覚は多少異なるものでしょうが、日本の社会で生活をし、日本の義務教育を受けていれば、根底に流れる文化的流れは受け継ぐことが可能でしょう。もちろん、義務教育の現場では変化があるでしょうが、根底を揺るがすことにはまだなっていないと思えます。
今、日本はおそらく、経済的に外国人に頼らないと難しい局面にあります。内需の減退はもちろんですが、国内労働力も枯渇していると言えそうです。鎖国でもしようものなら、一気に国力衰退の憂き目にあうこと間違いなしだと思えます。だからこそ、政界も経済界も外国人に頼り、外国に投資を呼びかけ、外国人の入国に便宜を図っているのでしょう。
歴史を振り返って見るならば、現代日本の文化的様相というものは、当然、古代から中世にかけて中国大陸や朝鮮半島、そしてさらに言えば西アジアやインドからも影響を受けながら、それらを日本的に受容し、近世においてさらに熟成が施され、近現代において欧米の洗礼を受けつつ出来上がったものなのでしょう。私はアジア文化も大好きですが、欧米文化も大好きです。
日本文化は世界的に独特であると言われたりもしますが、単独で発祥したわけではなく、周辺の文化を取り入れながらも、自分たちの好みで改造していったからこそ独特なのだと思います。これは仏教でも同じで、日本仏教はインド仏教や中国仏教に比して独特であり、「日本人」に合うように改造されています。だからこそ現代でも残っているのだと思います。
そして、こうした日本文化の担い手は紛れもなく「日本人」なのであり、「日本人」は意識することなくその文化を支え、そのなかで生きています。北海道から沖縄まで、東西南北で多少の異なりはあります。当たり前ですが、北海道と沖縄では文化の形成過程に違いはあります。しかし、大枠において日本文化なのであり、「日本人」にとってそこに大きな違和感を覚えることはほとんどないでしょう。
政治や経済の側面からは領土や領海の防衛は必須事項であり、局地的な意見の相違はあるものの、日本という国はそれによって国際的に認められています。しかし、文化の側面からすれば、こうした領海や領土があるから日本なのだとは言えないわけで、「日本人」が違和感を持つような文化が、敢えて言いますが蔓延してしまうようでは、日本は失われていまうのではないかと危惧します。
外国人と交流したり、外国人に頼ることを否定しているわけではありません。私たちが担っている日本文化は、前述のように外国人との交流や、外国人の力によって形成された側面もあります。互いに影響を与えることは無意味なことではなく、より良いものを生み出す呼び水にもなります。しかし、日本文化を壊す危険性を無視してまで外国文化を受け入れる意味はなく、それをしたら日本が壊れます。
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2025年01月22日
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