今日は箱根駅伝ですね。神奈川県の人には馴染み深いかなと思います。私も幼い頃から父がテレビ観戦していたのを思い出します。かつてはコース上にある箱根登山鉄道の踏み切りが閉まってしまったりと、ハラハラして観戦したものです。檀家さんには実際、選手として走った方もいて、やはり土地柄なのか盛り上がります。
ただ、最近の過度とも思えるエンタメ化には、やや違和感を覚えてしまいます。私の頭が固いのは承知の上なのですが、学生スポーツは教育の一環です。結果的に大学の宣伝にはなりますが、それが目的になってしまうと本末転倒。学生は宣伝の駒ではありません。学生の本分は、あくまでも学業です。
少子化のなか、大学はどこも生き残りをかけて懸命であるのは理解できます。しかし、大学は学問を通じての人間形成、さらに言えば社会に有為な人材を育てることが使命です。エンタメ化した学生スポーツのなかで学生が育つことに、大学生であることの意味を感じることが出来ません。
敢えて言えば、大学でやらなくてもいいじゃんと。エンタメしたいんだったら、別のとこでやりなよ。学生スポーツは「演出」で感動するわけではないでしょう。
私立大学であっても国から助成金を受けています。エンタメ化した学生スポーツで宣伝し、大学が「商売」をするために助成があるわけではありません。履き違えている経営陣が多いように感じます。だから問題が発生するんじゃないかなあ。これは宗教法人であっても同じで、税制面の優遇を受けることの意義を住職は真摯に捉える義務があります。
そもそも会社法人以外、すべての法人は「商売」が主目的じゃないだろ。定款や寺則に書いてある。どんな法人でも商業的側面があるのは否定しないし、そうでなければ運営できない。しかし、「目的」は別にある。スポーツ推薦の学生であっても、ちゃんと厳しく進級審査するのがあたり前。入試のハードルは一般入試と異なっても、同じ大学生なんだから扱いは同じじゃないと、実はその学生のためにならない。学業していないのに社会に出したらいかんでしょ。
ちなみに、私は駅伝が好きなので複雑な思いなのですが、昨今、日本の陸上競技、とりわけ中長距離が振るわないのは、高校生や大学生が駅伝を花形だと思って集中しすぎるからなのでは。駅伝は日本独自の種目のようですし、今のような過度な箱根駅伝エンタメ化が、世界で活躍できる選手を少なくしているような気がしてなりません。まあ、これは色々な方も仰っていることなのですが、個人的にもそう思えます。
そして、これは甲子園も同じでしょう。甲子園で投げすぎると肩を壊すとは昔から言われています。甲子園も過度のエンタメ化です。批判ではありませんが、出場校に公立高校が減ってきているのは、それを如実に示していますね。私立高校の宣伝の場です。出場している高校の母体は、意外と巨大な学校法人だったりします。盛り上がれば何でもアリというエンタメ路線は、主体であるはずの高校生や学生のためになっているのか、大人はちゃんと考えないといけない。
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2024年01月02日
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