前提として、これ人種や肌色に差別をする意図まるでないのですが、ディズニー映画の『リトルマーメイド』(実写版、2023年)では、主人公である人魚姫・アリエルを、ハリー・ベイリーさんが演ぜられました。ハリー・ベイリーさんは、おそらくアフリカ系アメリカ人だと思います。いわゆる黒人女性です。長い髪がとてもよく似合うキュートな若手です。
私が個人的に持っていた今までのアリエルのイメージは、白人女性がモデルになっています。絵本でもそうですし、そもそもディズニーアニメの『リトルマーメイド』(アニメ版、1989年)においても、真っ白ではないですがアリエルはどう見ても白人女性系でした。
アニメ版のアリエルが白人女性がモデルになっていた理由は簡単で、ディズニーのアニメ版『リトルマーメイド』はデンマークの童話作家・アンデルセンによる「おとぎ話」である『人形姫』が原作だからです。昔からのデンマーク人は白人だと思いますし、そういうデンマーク人からすれば、アリエルは白人女性というイメージでしょう。実は、実写版『リトルマーメイド』も『人魚姫』が原作です。
繰り返しますが、ここで人種や肌色についての差別を語るつもりは一切ありません。
私が言いたいことは次のようなことです。
ディズニーの『リトルマーメイド』がデンマークの「おとぎ話」を原作としているのであれば、それはたとえば日本の「おとぎ話」である『竹取物語』を原作とする実写映画をディズニーが制作したとして、かぐや姫がいきなり白人や黒人になっていたら日本人はビックリするのと同じように、デンマーク人も黒人女性系のアリエルを観てビックリしただろうなあ、ということです。
かぐや姫は宇宙人かもしれないので、そりゃまあ白人や黒人でもいいかもしれんのですが、多くの日本人は昔からの日本人的な女性をイメージしているでしょう。『人魚姫』は世界中に広がった名作ですが、デンマーク人にとっては特別な思いもあるかもしれません。『竹取物語』は世界中に広がってはいないと思いますが、同じく日本人にとっては特別な思いがあるのは間違いないとは思います。
アメリカ映画なのでデンマーク人とは言わずとも、アリエルは北欧の女優さんに演じてもらうとか、そういう姿勢であったほうが、「おとぎ話」の当地への尊敬の念が見られて個人的には嬉しく思います。ハリー・ベイリーさんも良い演技をされたと思いますが、ディズニーという会社の考えとして、「おとぎ話」の持つ魅力を大切にしてもらいたいと思っています。
かつて、『リトルブッダ』(1993年)という実写映画がありまして、お釈迦様の役をキアヌ・リーヴスさんが演ぜられました。キアヌ・リーヴスさんのお母さんは中国系の方です。お釈迦様のお顔は、実際のところ彫の深いアーリア人系なのか、それともサッパリなお顔であったのは不明ですが、お母さんが中国系であるキアヌ・リーヴスさんの顔立ちは、個人的に違和感がなく、古典や宗教への配慮が見られて嬉しかった。
アフリカの「おとぎ話」もたくさんあると思いますし、ディズニーはそういう各地の「おとぎ話」を、可能なかぎり当地のものとして再現した形式で伝えてもらいたいなあ。それこそ世界を知ることになって、相互理解が深まり、世界がつながっていくことになるように思うんだが。
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2023年11月29日
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