2023年07月13日

前住職が亡くなりました

父であり、前住職の伊東宗之が亡くなりました。すでに近親者で密葬を済ませまして、7月22日(土)13時30分から本堂で本葬を執り行います。導師は住職である私が勤めます。寺族葬儀の場合、住職は導師を勤めないことも多いのですが、父との最後の勤行なので私が勤めることにしました。祖母や母の際も私が勤めました。お参りの方への挨拶が手薄になるかもしれませんが、どうかお許しいただきたく存じます。

父は昭和13年2月に善福寺で生まれました。福沢小学校、相洋中学、小田原高校を経て、早稲田大学教育学部へ進学しました。教育学部を選んだ背景には、教師であった祖母の影響もあろうかと思います。ただし、本人の本当の希望は漫画家になることで、大学では漫画研究会に所属していました。結局、教員免許をいただいたものの教師にはならず、広告代理店の博報堂へ就職しました。博報堂で母と出会いまして、そのまま結婚に至ります。博報堂では一貫して制作の現場にいまして、よくコマーシャルの絵コンテを家でも描いていました。漫画家にはなれませんでしたが、ある程度は希望が叶ったと言えるかもしれません。祖父が亡くなって住職を継承し、20年ほど勤めたあと、私に住職を譲って引退いたしました。85年間の生涯でした。

息子から何かあるとするならば、「酒をもう少し控えていればなあ」のひと言に尽きます。アルコール依存症を治療する病院にも何度も入院しましたが、ダメでした。博報堂を退職してからは酒浸りで、ほとんど自分の思うようなことは出来ていなかったかと思います。家族ともうまくやっていけず、晩年は苦しい毎日であったかもしれません。毎日朝から晩まで酔っている状態なので、父のことをより理解する機会はあまりありませんでした。心残りがあるとすれば、この一点ということになります。

いずれにしましても多くのことを教えてもらいました。毎週日曜日の夜、家族で「正信偈」の勤行をしたのは大きな思い出であるとともに、今の私自身を支えてくれる原動力になっています。私がこのような教育を自分の息子たちに出来ているかと言えば、やや心許ないかもしれません。

親子で確執もありましたが、今は感謝の心が多くなってきています。 合掌

posted by 伊東昌彦 at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教 住職恣意 -jyushokushii
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