2022年12月02日

「鑑みる」という表現について

日常生活ではそれほど重要ではないことなのですが、最近よく「鑑(かんが)みる」という表現を目にします。結構堅苦しい言い回しかと思っていましたが、使われることが多くなっている印象です。

ただ、たいてい「〜を鑑みる」という表現なので、やかましいかもしれませんが、

これは「〜に鑑みる」という表現のほうが正解に近いかと思います。


「鑑」を「かんがみる」と読む場合、「Aということを、Bということに(照らして)考える」という意味になるとのことなので、たとえばサッカーを例に挙げれば、「スペイン戦の行方を、ドイツ戦勝利に鑑みたところ、勝利する可能性もある」となります。

中間部分を省略すれば、たしかに「スペイン戦の行方を鑑みる」としても間違いではないかもしれません。鑑みる対象には、「ドイツ戦勝利」のみならず、「スペイン戦の行方」も含まれるからです。

しかし、これだと内容として不十分になってしまうので、個人的には省略しすぎかなと感じます。こうしたいのであれば、単に「スペイン戦の行方を考える」で良いわけで、「鑑」という字を使用する意味がなくなるからです。

なお、恥ずかしながら、かく言う私もかつて「〜を鑑みて」と思い切り用いていました。ふとしたことから違和感を覚えまして、ちょいと調べてみたわけです。

posted by 伊東昌彦 at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教 住職恣意 -jyushokushii
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