ディズニー化したスターウォーズは私のようなオールドファンにとっては奇妙だったけど、最近のドラマものは違和感をそれほど覚えませんでした。『マンダロリアン』とか『ボバ・フェット』はとても面白かった。7・8・9の映画は作っている人もどことなく制約があるというか、どこか不自由な印象だったけど、ドラマだと好きな人たちが好きに作ってみました感があって良かったです。
私はオビワンのファンなので、今回の『オビ=ワン・ケノービ』もとても楽しみでした。ユアン・マクレガーは年齢的に同年代に近いせいか勝手に親しみを感じており、その演技もアクションも最高。今回のドラマは賛否両論でしたが、私は満足でした。敢えて言えば、戦闘シーンはもう少し工夫があっても良かったかな。私のようにスターウォーズとか、あとガンダムとか戦隊モノとか、そういう空想戦闘シーンに慣れている者からすると、ちょっと物足りなかったというか、なんだか変に思えたんじゃないかなあ。
でもオールドファンにとっては、やはり4からスターウォーズを見ているので、そこにどうやってドラマがつながるのか、オビワンがなんでああいう達観した感じになっていったのか、その過程がとても大事だと思うんですな。戦闘シーンや、他にもやや怠い感じの運びはあったけど、オビワンの内面がとてもよく表現されていて、その点は満点だと思います。オールドファンだからとか、そういうことではなく、どのスターウォーズから見始めたかによって、今回のドラマの評価は変わるように感じました。
人は誰しも過ちをおかすものであり、その呪縛からどう脱していくのかというのは人生の課題です。仏教では人の行為やその影響力は自分の心に記録され、そして未来を形成する種になると説きます。善悪どんな行為であっても、自分自身の心に根をはっているわけです。だから苦しい。種からどんどん芽が出てきて自分自身を苦しめるのです。オビワンも苦しんでいました。愛弟子のアナキンが悪に走ったことについて、自責の念にかられていたのです。
しかしアナキンも自分自身の行為によって、そのように悪の存在になったのです。まさにアナキン自身の問題なのです。アナキン自身が自分で解決せねばならない。オビワンの出来ることはただ1つ。自分自身の信念にもとづき悪を許さず行動することでしょう。そこにオビワンは気づいたからこそ、大きな前進を得ることが出来たのだと思います。非常に的確な内面描写であり、坊さんとしても楽しめたオビワンのドラマでした。
2022年07月10日
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