昨日,長男が庫裏(お寺の住居棟)でムカデにかまれました.足がイテ〜イテ〜言うので,何事かと思って見てみますと,かかとが赤く腫れ上がっておりました.はじめは蜂かと思いましたが,刺された跡がありません.とりあえずキンカン塗りましたら,やはりイテ〜イテ〜と言いますので,やはり何かに刺されたようでした.蜂かなあと思いまして,患部を思いっ切り冷やしていたところ,ソファーの下よりムカデが登場.立派なヤツでした.冬を越したのでしょう.子どももいるので,仕方なく退治しました.すると,カミさんがパソコンのところで騒いでいます.どうやらムカデにかまれた場合,患部は冷やしてはいけないようです.逆に暖めるとのこと,急いでシャワーで暖めました.痛みは数時間でとれたようでしたが,連休最終日に突如大騒ぎになってしまいました.実は私,スズメ蜂にもアシナガ蜂にも刺されたことがありますが,ムカデはいまだかつて未経験で,即座に症状が分からなかったのでした.長男は家族で唯一ムカデにかまれた経験を有し,今後,これは人生の糧になるでしょう.
なお,ムカデは二匹で行動することが多いようなので,もう一匹いるのではないかと,庫裏を捜索しましたが,発見はできませんでした.寝るときも子どもは騒いでいましたが,かまれることはありませんでした.実は・・・,私が一番ビビッてました.
ところで,今朝,寺務所に入りましたら,電灯をつけたとたん,ビクッ!!うわぁ,いた,ムカデ!!!かと思いましたら,紙袋の手提げヒモでした.ちょうどサイズはピッタリで,白い紙袋に張り付いているかのように見えたのです.
仏教の唯識思想に「蛇縄麻の譬え」というものがあります.これは私たちが様々な先入観をもって物事を捉え,自ら真実を見誤っているということを指摘したものです.すなわち,夜道に「縄」があったものを,これを「蛇」だと思い驚いた.しかし,よくよく見ればそれは「縄」であり,安心することができた.そして,さらに思い凝らしてみるならば,「縄」も元は「麻」でできたものであり,「麻」が集まったものが「縄」なのだと,「縄」の本質に気づかされた,というものです.
「蛇」だと思うのは,私たちに余計な先入観があるからで,これを「遍計所執性」(へんげしょしゅうしょう)と言います.また,「麻」が集まって「縄」となっていること,これを「依他起性」(えたきしょう)と言います.そして,最終的に「縄」が「麻」であったと気づかされるところ,これを「円成実性」(えんじょうじっしょう)と言います.これらを合わせまして,よく「唯識三性説」と言っています.
私はこの三性を今朝,実感することができました.ムカデに感謝です.退治してスマン.